ラブラド・レッセンス|ymz【1巻】
ymz先生の作品ではじめて読んだのがこの作品でした。
表紙が、表紙がすごい好きだったんだ。
書影が無かったので掲載出来てないんですが、是非検索して見てみてね!
ラブラドレッセンスて造語かと思ったら、ラブラドライトという鉱石で生まれる効果で、
一見灰色のように見えるけど光の具合によって様々な色に変わるっていう効果をあらわすそうです。
うひょー。
ひょんな事故から入院したカメラマンの春次さんと、その担当医の睦さんのお話。
ひとつひとつ……ひとつひとつのエピソードがあんまりにも繊細すぎて
1話ずつ抜粋したくなってしまうよね……。
ymz先生の会話すごく好きだなあと思いながらよく作品を読んでいるんだけど、
ラブラド・レッセンスを読んでいるとやっぱりこう、生命賛歌に近いようなものを感じる。
言葉はまったく当てはまってないからもう少し別の表現でもっとばしっとハマるものがあると思うんだけど
「今ここにあること」「ここに来るまでのこと」への賛歌のようなものと、
さらにもう少し奥にある「今ここにあるために彼が(または彼女が)持ち抱えているもの」が、こう…こう……炙り出しの絵みたいに直接ではなくて少しずつじわじわと輪郭を描いているような感じがする。
それも、どうしたって明るいばかりではなくなってしまうにせよ、それらも引っくるめて「でも今ここにある」に着地するような、前向きさがあるところがすごく良いんだ。
今ここに「あなたが」あることの奇跡をじんわり思い出させてくれる……優しい……ううっ……。
また、また、この、タイトルにあるラブラドレッセンスの使い方が! 最高なんだよ!!!!!
すごく良いのが、石自体が何か変わる訳ではないのに、見る人によって色が変わるっていうところ。
声をかけてくれて、見てくれている人がいて、そうやって様々な色を持ってることが分かる。
そして確かに見る人によって、睦さんが変わっていることが分かるところ。
本人が変化していて、その変化は少しずつ春次さんと培われているところもすごく好きなんだけど、
何より好きなのはそうやって見てくれてる人が居ることが分かるところなんだよ。
急に見られた訳ではなくて、きっとずっと前から見てくれてる人がいたことが分かるところがすごく優しくて良いなあと思う。
そういえば春次さんはカメラマンなので「見る」に特化した人なんだなというのも、ふと気付くと面白いや。
見て、でも今見ているものが全てではないし、「次」が必ずある訳じゃないことも知ってる。
でももうほんとね、ほんと、1話1話というか、1エピソード1エピソードで語られることが
めちゃくちゃ優しくて終始涙じんわり浮かべながら読んでしまう。
好きだよ の言葉の中に「君のことをとても好ましく思う」っていう、性格や人となりとはまた別の、
例えば自然物に向けるような邪気のなさというか、そういうものが感じられるところもすごく好き。
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