のはらのはらの|雁須磨子【1巻】

のはらのはらの

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[著]雁須磨子

 

腰を痛めて野球部をやめた糸くんと、日射病から助けられた西戸崎くんのお話です。

糸君がさ……ずっと続けてきた最後の夏の野球を手放して、
何だか手持ち無沙汰で、色々出来ることをぽつぽつ呟く姿だとか、
最後の試合を見届けて涙一粒こぼす様子だとか、この喪失の切なさすっごい好き。
しかも後から読み返すと、次の約束に浮かれる西戸崎君の様子の少し前に
「俺もすんげえヒマなんだ」って話す糸君のこの認識の差が分かるんだよおおお。
西戸崎くんは得ようとして動き出しているのに、糸君はいまだ喪失の真っ只中にいるこの温度差!
なくしたものの大切さだとか、無念だとか、分かられたら堪らないっていうこれもすごく好き……。
野球部のみんな、またいい子たちばっかなんだよなあ……。
いい子達ばっかだし、それも自分がいちばんよく知ってる分そこに居られないのがつらいっていうのがしみじみ心が痛い……好き……。

こういうエピソード好きだからついついたくさん話したくなっちゃうんだけど、
のはらのはらのはこれらのエピソードが、愉快な男子高生ライフと共にあるのもとても魅力的なんだよ!
糸君の友人たちがほんと良い味を出してくれてる。
恋い慕って懐いてくれる西戸崎くんが可愛い、という糸君の話に、相手はマスコットではなく人間なのだから真摯に向かう方が良いって言葉少なストレートに言える倉野君(※野球部ピッチャー)ちょっと男前が過ぎない?

のはらのはらのは、無くしたばっかりの糸君と見つけたばっかの西戸崎君が少しずつ距離を縮めていくのだけど、
時間差が心地よい物語だなあと思う。
なくしたものが時間差で訪れてくるその瞬間の丁寧な描かれ方がとても好き。
なくしたものであったり、新たに得たものであったり、
自分の変化って自覚するまでに少し時間がかかることもあって、
その時間のかかる変化をとても丁寧に追いかけていける感覚が、染み入るようですごく気持ち良い。
これがじわじわと時間をかけて、足並みが揃うというか、次の一歩に整っていく様子がとても良いんだ。


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