3番線のカンパネルラ|京山あつき【1巻】

3番線のカンパネルラ

3番線のカンパネルラ

3番線のカンパネルラ

[著]京山あつき

 

あああ~~~~……
やっぱりこの人のこの繊細な描写好きだなあ……としみじみ噛み締めてしまった……。
京山先生の作品に触れたの、ヘブンリーホームシックで
あのホームシックの突き刺さるほど繊細な描かれ方がすっごい好きだったんですが
3番線のカンパネルラのすごく微妙な状態描写も好きです。

3番線のカンパネルラって少し面白い構成で、登場人物は3人なんですよ。
主人公と、主人公と恋仲になる相手と、もうひとり。
このもうひとりは、ぼんやりと「生きるのもういいかなー」状態の主人公と接して主人公をじわじわと現世につなぎとめてくれる人です。
BLものの王道ならこのもうひとりとフラグが立つだろうに、フラグが立つのは別の人なんだよ。

この「働いて生活しながらパートナーと成り立つ姿」と、
「偶然に任せた出会いで救われる姿」がまったく別軸であるところがすごく良いなあと思ったんだ。
なんというか、「恋愛」はすべて救うような万能薬ではないんだよなというところ。
それはむしろ逆で相手と近付こうとすればそれは傷ついたり距離を感じざるを得ないものでもある。
すごいエネルギーで万能薬になり得ることもあるんだろうけどね。
そことはまったく別の関係があることがすごく良かった。
近いからこそ些細な言葉に傷ついて、遠いからこそわずかな相似に癒やされたり救われたりもする様子が
まるで同じ温度で進められていく様子がフラットでとても好きだなあ。

また好きなのがベースにある銀河鉄道の夜との被せ方だよ!
人生は電車のようなものだ、と話し、彼らは電車に乗っては降りていく、その中で主人公はカンパネルラと出会って彼の無自覚な様子に少なからず救われて、
そしてもうひとり電車に乗ってきた彼が降りようとして追いかけて別の電車に乗り込んだ。
降りる場所も理由も違う人たちが偶然のように乗り合わせて、わずかな時間を共に過ごしていく様子が銀河鉄道の夜と重なっていくところがとても美しい……。

 


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