GATAPISHI|新井煮干し子【全1巻】

GATAPISHI

GATAPISHI

GATAPISHI

[著]新井煮干し子

 

新井煮干し子先生の作品、Rentaさんにある分は全部追ってると思うんですが
「可愛い!!!!」「難しい!!!!」が交互にくるな!!!!!
いまだに一番難解なのは渾名をくれです。

渾名をくれ|新井煮干し子【全1巻】

表題の『ガタピシ』は、仏教用語で『我他彼此』の字があてられ、
自分と他人、彼岸と此岸、の二項対立の考えを現しているそうです。
で、この二項が対立することと、対立して生まれる歪みや齟齬を「がたぴし」と呼ぶそうです。
えーと、拙すぎる知識でしかないので間違ってるところ多々あると思うんですが
自分に執着するから、相手が生まれこちらとあちらが生まれ、軋轢が生じると。
それ故に仏教では「無我」を目指して……えーとえーと……
だめだネットじゃあんまり理解出来るようなものにはたどり着けないぞ。
しっかり知るには多分ちゃんと文献を漁らないとダメだ。
(色々ぐぐってました)

多分本来の教え的には、我他彼此するから執着が生まれるんやで無我目指そうなってもんだと思うんですが
それは決して他人や自分に興味を持たないことではなくて、
自分の欲しかったものやして欲しかったことに目を向けて、
そしてそれらはもしかして目の前にいる彼も同様ではないかと思い至ることなのかもしれない。
眼の前にいる彼も、手探りで、分からないものを持ちながら生きていると知ることなのかもしれない。

GATAPISHIは可愛い男子高校生姿と「我他彼此」が混ざり合って進んでいきます。
寺生まれの瑞泉くんと、瑞泉くんに一目惚れしてど直球まっすぐに進んでく阿野くんのお話。
新井煮干し子先生の可愛い男子高校生要素もふんだんにあるぞ!!!! あるぞ!!!!!!!

で、

ままならない人の情が、刺さる。刺さる刺さる。
言葉にならないのに感覚で通ずるものがあってそれがまあ、刺さる刺さる。

瑞泉くん、少しひねくれてるので色々と阿野くんやお父さんを試すような言動を繰り返しているんですが
その様子がまさに表題のGATAPISHIという感じです。
誰かからの反応でもって自分をはかって、自分の言動が相手にどう影響を及ぼすのかをずっとはかってる。
っていうなんか小難しいことよりももっと単純に、
自分の欲しい反応は解っているのだけど、それが返ってこなかったことが多すぎて
試すようなことをして何度も何度も石橋を叩いてしまうんだよな。

GATAPISHIで一番感極まってしまうのが、流星のシーン。
流れ星っていうロマンスではなく 「隕石落下」 になるんだけど、
この前後の流れがすっごく好き。
試すように「駆け落ちしようかー?」と話す瑞泉くんに、すべてマジレスする阿野くんだよ。
このシーンの好きなところは、このマジレスど直球さよりも

・私たちはいつ死んでも、何をなくしても大丈夫なのだ
・私たちがいなくなろうが、この世はなくなったりしない
・いつか別れるとしても、今ここに共にあるのだ

っていう、これうっすら聞いたことがある仏教の教えだったはず。
これらを意気揚々と語った直後に隕石落下が間近で起こり、

・でもあなたが死んだら嫌だ
・大丈夫なはずなのに、苦しい

ここ! この反転!!!!

今ここ であったり、
執着 であったり、
何が終わっても世界は続いていくこと であったり、
説かれている通りであれば何も憂い淋しがることなど無いはずなのに
それでも翻弄されてままならないのが人の情で、その不完全な情があまりにも優しくて愛しすぎる。
ベースには「我他彼此」があったとしても、
「自分と相手は痛みも悲しみも分かつような同じ人間だ」という結論に至るのではなくて
「自分と相手は別の人間である」ていうところに着地するんだよ。

 


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