翡翠のためいき|甘野有記【シリーズ有】
貴族が!!!!好きだから!!!!
っていう一念だけで一揃い集めてしまった。
そもそも好みのルーツでもある80年代少女漫画の雰囲気が凝縮されてて、ホームに帰ってきた感が半端ないんだもの。
絵柄は流行とは違うかもしれないけど、丁寧で緻密な画面描写はとても麗しい。
優しい両想いに癒やされる……。
貴族の主さんと執事見習いの東洋の少年(~青年くらいかな)のお話。
シリーズもので一応色々出てるんだけど、
基本的な登場人物だけおさえておけば、というか、
メイン二人を覚えておけば大体どこから読んでも大丈夫だと思います。
もうね、感想がどうとか、物語がどうとか、
いやそれも十分あるんだけど、
完全に性癖
としか言いようがないんだもん。
このキラキラしたお屋敷にクラシカルな三つ揃えスーツ!
そしてこの主へ向かう尊敬と思慕、
従者へ向かう庇護欲と愛情!!!
主従の穏やかな両思い風景に癒やされて堪らないよう。
また旦那様の大人の余裕が良いよう。
弟のからかい方が意地悪でスマートでとても好き。
愛想笑いは人を馬鹿にしているという弟に、そんな中学生の少年のような可愛いことをなんて返せるの素敵じゃないですか。
大事な人だけ大事にすれば良いんだという言葉に、大事な人はより大事にするんだよと返せるの、素敵じゃないですか!!!
素敵ですよ、大好きだ。
貴族と執事候補で、身分差と人種差(当時の時代設定で、執事役の子のようなアジアンはちょっと蔑ろにされがち)、
基本的には両思いでいちゃいちゃしてるだけなんですが
その描き方がすごく丁寧で、愛情表現がその立場だから出て来る言葉なあたりもすごく好き。
いちゃいちゃしてるだけというのは本筋はそうなのだけど、
穏やかに大事にしたりされたり、それはお互いのことだけではなくて、
周囲を取り巻く人々にも与え与えられたりしている、
作品全体を取り巻く優しい両思いの風景がすごく好きなんだ。
健気に仕える執事見習いの子も好きだし、
私は旦那様の貴族然とした立ち居振る舞いがとても好き。
持つものが持たざるものを保護するノブレス・オブリージュ精神発揮されるとすっごく弱い。
あとお屋敷の細かな装飾品の美しい描写や、
現執事のおじさまの執事の心得を語る優しい口調や、
脇を固めるどこか憎めないキャラクター達や、
本当に読んでると癒やされる……。世界が優しい……美しい……。