俺は仕事ができない|ちしゃの実【1巻】

表紙で大体主人公の主張は伝わると思います。
俺は仕事ができないんだ! 誰か俺を養って!!!!!
お仕事出来ない主人公名鳥君と、高校時代からの後輩で上司に出世した出来る男市ヶ瀬君のお話。
仕事ができないんだ、誰か俺を養ってくれ!
夢じゃないもん!!
いるもん!!!
収入も将来性もあって上からも下からも信頼の篤い人格者上司とか!!!!
山の手線内の高層マンションに住んでる年収2千万のセレブとか!!!!!
象に乗って踊り子を侍らせて登場する石油王とか!!!!!!!!
まじで居るんすよ。
一瞬温度差すごすぎて「あれっ、数ページ読み飛ばしたかな?」と思って
何度もページを行き来したんですが、まじで居るだけでした。
上玉ひっ捕まえて掴んでやるぜ玉の輿と劇画調でペロォするチョロい名鳥くんが可愛い。
深いこと考えちゃだめだ。
出来る人格者の上司も漆黒の翼を纏って鳥籠に捉えてきそうなセレブも石油王で王族も居るったら居るんだもん。
全面コメディと勢い溢れる中でじわじわ進んでくのが名鳥君と市ヶ瀬さんの話です。
こんだけ「俺を養ってくれ」をしてる名鳥君なのに、決してKZではないんです。
むしろ出来ないことに申し訳無さを覚えるタイプだし、
どうしようもない所に見切りつけて次の場所(※ただし養ってくれ)を探そうとしてるんです。
でもね~~~見切りつけるのだって楽じゃないし、決して簡単に捨てて来た訳でもないんだよ~~~。
自分で自分を見切るっていうのもどこか悲しいし遣る瀬無いし、ダメな自分よりは格好良い自分で居たい。
格好良い自分をまだ期待して見てくれているならそれだって崩したくない。
っていうところがじわじわと描かれてるところがすごく好き。