茅島氏の優雅な生活|原作:遠野春日/作画:麻々原絵里依【3巻】
貴族が好きかい。好きだよ!!!!!
貴族というより資産家の茅島さんと、庭師のお話。
主従タグは入れてますけど、そこまで主従って感じはないです。
あくまで雇い人と雇い主という側面がある、というくらい。
何かもうひたすらゆったりと、高貴な風景を見ている状態なんですが、
このゆったりとした高貴感がとても好きなんだよ…。
貴族ものの醍醐味だと思うんだよ、金と時間と場所が有り余るこの風景……。
穏やかに読めるから好きなんだ……。
とはいえ貴族とか富豪ジャンルで読んでるの少ないので、
この作品独特のものなのかジャンル固有のものなのかは判断出来ないんだけどね。
茅島氏の優雅な生活はほんと表題通り、茅島氏が優雅に生活してます。
恋人の庭師といちゃいちゃしたり時々嫉妬したりするものの、
ベースにあるのはもう異世界のような穏やかさ。
周囲のドロドロは極力排除されていて、ひたすらこの優雅な生活風景に浸っていられるのが有難い。
金持ち喧嘩せず。
茅島氏は富豪も富豪ながら、庶民の頬を札束で叩いたりしないし、金に物言わせて無理を通すようなこともしない。
庭師の恋人との出会いは強引さが見えたけど、それも別に身分や境遇を盾にしたものではなくて、茅島氏がもつ素直さがド直球に発露された結果と言う感じ。
実際、茅島さんは物静かで、ともすれば何を考えているのかもなかなか分からないくらいの青年です。
前述した茅島氏の「金に物言わせない」姿勢は、庭師の彼の仕事をいたずらに奪ったり必要以上に援助をしたりしないところからとても感じられるんだ。
庭師の彼の雇い主ではあるけど、彼の働き方や彼の生き方そのものには決して「茅島家当主」としての手を出さない。
彼の領分は彼のものにしてる姿勢がとても好き。
徐々に出てくる茅島さんの我侭さは、茅島さんという青年の性格(と確かに資産家として暮らしてきた感覚のズレはあるものの)によるもので、それもまた基本的に物静かで素直なもんだからとても健気で可愛く見えてしまう。
貴族ものは良い……寝る前に読むと穏やかになれる……。
このままゆったり素敵なお屋敷と素敵な庭にひたすら囲まれて暮らしていて欲しい……。